犬のよくある病気
犬の病気は症状がわかりづらい、気づきにくい傾向があります。痛みに強い犬は苦しい感情を表に出さないのがその理由です。飼い主さまがわんちゃんと日頃からスキンシップをとり、様子をよく観察することが早期発見・治療つながります。
鼻と口の病気と症状
症状
鼻水やくしゃみ、鼻づまりをはじめ、歯や口臭に異常がある、よだれが多くなった、目の下が腫れているなどの症状が現れている場合は、鼻と口の病気かもしれません。
病気の種類
- 「感染(真菌・ウイルス・細菌など)」
- 「歯周病」
- 「アレルギー(花粉・タバコ・香水・ホコリなど)」
- 「鼻炎」
- 「副鼻腔炎」
- 「鼻腔内腫瘍」
- 「咽頭炎」
- 「口内炎」
- 「口腔内腫瘍」
など
当院の治療法
ダックスフンドさんに多い特徴的な鼻炎の場合はなかなか治りにくい性質があります。鼻の中の病気の場合は見た目ではなかなかわからないのでレントゲン検査を行ったりします。鼻血がある場合は特に要注意です。クチの中にできる病気は早期発見が大事ですので、飼い主様が普段からよくクチの中をのぞく癖をつけましょう。歯周病が原因でくしゃみが出ていることもあります。歯周病は手術と同じように全身麻酔をかけて歯石の除去や抜歯をする事もあります。口腔内や鼻腔内の腫瘍の場合、外科手術だけではなく、放射線治療、抗がん剤治療が必要になって来る場合があります。
早期発見と早期治療が大切なポイントとなりますので、気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。
目の病気と症状
症状
目の病気の代表的な症状には、目やにが出ている、涙を流している、目が白っぽい、目が黒っぽい、視力が落ちてきた、目が大きくなってきたといったものが挙げられます。
病気の種類
- 「流涙症(涙焼け)」
- 「角膜炎」
- 「結膜炎」
- 「白内障」
- 「緑内障」
- 「網膜剥離」
- 「進行性網膜萎縮」
- 「ぶどう膜炎」
- 「チェリーアイ」
- 「ドライアイ」
- 「マイボーム腺腫」
- 「眼瞼外反症」
- 「アレルギー」
など
当院の治療法
症状や疾患の種類に応じて目薬、飲み薬などを処方して症状を軽減、治療します。白内障の場合は放っておくと、ブドウ膜炎や緑内障などの2次性疾患を引き起こし、視力の喪失や目の痛みを生じることがあります。特に白目が赤くなっている場合は注意が必要です。症状が重く手術が必要なケースは、専門の病院をご紹介が可能です。結膜炎や角膜炎には目薬や飲み薬を使用し、目の周囲の毛が原因の場合は、目周りの毛をカットすることが予防・対策につながります。
皮膚の病気と症状
症状
毛が抜けている、フケが多く見られる、しこりや腫れがある、体を痒がるといった症状は、皮膚の病気の代表的な症状です。
病気の種類
- 「細菌性皮膚炎」
- 「寄生虫の感染」
- 「皮膚糸状菌症(カビ)」
- 「甲状腺機能低下症」
- 「クッシング症候群」
- 「ストレス」
- 「アレルギー」
- 「疥癬」
- 「ツメダニ」
- 「皮膚腫瘍」
- 「肛門周囲腺腫」
- 「火傷」
- 「怪我」
- 「中毒」
- 「寒さ」
など
当院の治療法
一口にアレルギーといっても、花粉症やハウスダスト、ノミダニ、食物アレルギーなど原因は様々です。飲み薬、外用薬、薬用シャンプーなど、原因によって治療法が一通りのこともあれば多種にわたることもあります。アトピーの場合は内服薬の他、定期的な注射が効果的なこともあります。脱毛の症状でノミやダニといった寄生虫が原因の場合も、お薬での予防・対策が可能です。また、ストレスが原因で体を舐めて抜け毛が引き起こされることもあるため、その場合は薬だけではなく行動療法が治療につながることもあります。
皮膚にしこりができた時は、針で細胞を調べて腫瘍かどうか調べたりします。腫瘍が皮膚に生じていても、体の別の部分の問題が原因で引き起こされている可能性もあります。必要に応じて血液検査やレントゲン検査、超音波検査を行います。症状と原因の適切な診断が、効果的な治療につながります。
消化器系・生殖器系・内分泌系の病気と症状
症状
水を異常に飲む、下痢や便秘をしている、嘔吐、血便や血尿が出ている、過食気味、食欲がない、お腹が膨らんでいる、おしっこの量が増えている(減っている)、ウンチの回数が増えている(減っている)、オリモノが出ている。こうした症状があれば消化器系・生殖器系・内分泌系の病気が疑われます。
病気の種類
- 「糖尿病」
- 「クッシング症候群」
- 「副腎皮質機能低下症」
- 「腎不全」
- 「腫瘍」
- 「子宮蓄膿症」
- 「大腸炎」
- 「脾臓疾患」
- 「胃腸炎」
- 「寄生虫」
- 「尿路結石症」
- 「膀胱炎」
- 「前立腺肥大」
など
当院の治療法
ホルモンの異常で引き起こされるクッシング症候群のように、治療薬による治療のほか、内服薬やホルモン治療だけでは再発してしまう子宮蓄膿症のように、外科手術を施すこともあります。
嘔吐・下痢の場合は注射や内服薬で様子をみつつ、経過が長い場合や症状が長引く場合などは血液検査・レントゲン検査・超音波検査などを行って、検査結果に応じて適宜、内服薬・療法食などを処方します。
また寄生虫が異常の原因となっている場合、原虫・条虫・回虫といった腸管内に寄生する内部寄生虫の種類ごとに、効果的な駆虫剤は変わる場合がありますので、検便などの検査をして必要な駆虫剤を決めます。
呼吸器系・循環器系の病気と症状
症状
呼吸器系・循環器系の病気の主な症状には咳が出ている、息が荒い、いびきをかく、血を吐いているといったものがあります。
病気の種類
- 「ケンネルコフ」
- 「各種アレルギー」
- 「寄生虫」
- 「心臓病」
- 「肺炎」
- 「気管支炎」
- 「肺水腫」
- 「肺気腫」
- 「横隔膜ヘルニア」
- 「胸膜炎」
- 「気胸」
- 「気管虚脱」
など
当院の治療法
呼吸器の感染症であるケンネルコフにはワクチン接種が有効です。長引く咳などの場合は、まずはしっかり原因を見極めるために、レントゲン検査の他、血液検査、超音波検査などが必要になることがあります。場合によっては酸素室や緊急の処置が必要な場合があります。特に心臓病が原因の場合は死に至るケースもあります。長く続くようであれば早めに来院をおすすめします。